祭りの屋台の焼きそばはなぜ美味しいのか
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突然だが、みなさんは『お祭りの屋台』と言えば何を思いつくだろうか。(季節考えろとか言わないで)
私はもっぱら「焼きそば」である。誰がなんと言おうと必ず焼きそばは買う。これだけは譲れない。
という話でこの間友人と盛り上がったのだ。ちなみに友人Aは”たこ焼き”で、友人Bは”チョコバナナ”。どれもお祭りの定番であることは間違いない。
この論争はかなりの白熱具合を見せ、たこ焼き組とチョコバナナ組と焼きそば組で覇権争いとなった。
しかしふと思った。なぜお祭りの焼きそばはあんなに美味しいのかと。
家で作れるものなのになぜあんなにも食べたくなるのか。
なので勝手に考察してみた。
#屋台の焼きそばが美味しくなるであろう3つの仮説
私はこれでも栄養士の端くれ。予測しうる仮説を3つ挙げてみよう。
- たくさん作るから
- 火力が強いから
- 業務用の材料を使っているから
これらは基本的に家庭では再現不可能なものだ。従って、屋台でしか味わえないあのなんとも言えないうまい焼きそばがこの条件ならできると考えた。
まず1つ目の「たくさん作るから」だが、鍋しかりカレーしかり、たくさん作ると美味しくなるという謎原理がある。屋台では大きい鉄板を使ってたくさんの量を1度に作るため美味しくなるのではないだろうか。
次に2つ目の「火力が強いから」だが、屋台では大きく分厚い鉄板で作ることになるため、強い火力が必要となる。屋台の裏手に回ると見えるが、大体業務用の火力が強いガスコンロを使っている。そして、その強い火力で一気に焼きそばを仕上げるのだ。
そして3つ目の「業務用の材料を使っているから」だが、一般的に家庭で作る際、買ってくる焼きそばと言えば3食ぶん入った粉ソースの焼きそばだと思う。しかし業務スーパーなどに売っている焼きそば用ソースと言えば、2リットル入りの液体ソースが定番である。液体ソースが熱々の鉄板の上で焦げる匂いはなんとも言えない。
以上が私の立てた仮説だ。
自分で立てた仮説でいうものなんだが、家で屋台風焼きそばを作ることは絶望的なのかもしれない。
#条件をクリアすれば家でも屋台風ができるはず
「いやいや、さっき家で屋台風焼きそばは絶望的って言ってたじゃん」
そう、しかし絶望的かと思った屋台風焼きそばをどうしても家でも食べたい!という私の野望が勝ち、”屋台焼きそば研究会(仮)”を勝手に作ったのであった。
まず「たくさん作る」ことは現実的に考えて不可能であることはいうまでもない。大量に作ったところで冷蔵庫の肥やしになることは間違いないし、連日焼きそばを食べ続けるのは流石に嫌だ。焼きそばはたまに食べるから美味しいのだ。
こうなると業務スーパーで2リットルのソースを買ってくるのも現実的とは言えない。上記の理由からソースもまた、冷蔵庫の肥やしになることは目に見えてわかる。
そこで使う焼きそばはやはり3食ぶん入りの粉ソースの焼きそばになる。
さて具材だが、大体屋台の焼きそばには肉とキャベツくらいしか入っていない。なのでこの2つのみで攻めることにする。
家には分厚い鉄板もそれを加熱するだけの火力もない。あるのはせいぜいテフロン加工のフライパンである。
このフライパンをコンロにセットし、火力はコンロが持ちうる限り最大限の強火にする。これなら鉄板もいらない。フライパンならコンロで十分だ。
ただ、火力は終始最大でいく。
ここからは速さがポイントになる。
薄いフライパンにコンロの最大火力なら焦げ付く可能性もある。屋台の焼きそばは熱々の鉄板で手早く仕上げる。ここだけは再現できそうなので取り入れよう。
さあ、調理だ。
#屋台風焼きそばの作り方
今回のレシピのポイントだが、
1つ、麺よりも先に粉ソースを入れる
2つ、麺は皿などにあけ、よーくほぐしてふわっとさせておく
3つ、水は使用しない
これを守って欲しい。これを守らないとうまい焼きそばにならないので注意。
〈作り方〉
①まず一口大に切った豚肉を油をしいたフライパンに入れ赤い部分がなくなるまで炒める。
②次に適当な大きさに切ったキャベツを投入し、肉と炒め合わせる。キャベツがしんなりするまで。
③キャベツがしんなりしてきたら、ここで粉ソースを投入。よく炒め合わせる。
※ここでソースを入れることで、キャベツから水分が出てくる。これが最大のポイント。水分とソースが混ざって液体ソースのようになる。しかも蒸らす水いらず。
④粉ソースが液体ソースのようになったらほぐしておいた麺を入れ、手早く混ぜ合わせる。麺を入れると焦げ付きやすくなる。全体的にソースの色がついたら完成。
※フライパンの中で麺をほぐそうとすると時間がかかって余計に焦げやすくなる。
あとは紅生姜や青海苔をかけて食べる。うま。
野菜に塩をかけると水分が抜ける原理は漬物でよく使われるが、今回はその手法を使ってみた。
また、焼きそばのパッケージに載っている作り方に「水を入れて蒸らす」という手順があるが、これを家庭用でやるとべちゃべちゃな焼きそばになってしまい、味が薄いなんとも言えない”お母さん焼きそば”みたいになってしまう。
この作り方、本当に美味しいのでやってみてほしい。
家庭料理の真髄である。